2021.08.23 眞田正適の心書

住職の心書48.個性

「良工が材を用いるその木を屈せずして廈を構う。聖君の人を使うその性を奪わずして所を得しむ。」

 訳)腕のある大工は、木材の節や曲がり具合を活かしながら立派な家を建てます。曲がっていたり、扱いにくい人の個性も活かしてこそ、良い仕事ができる。

 優れた宮大工は樹齢千年の木を使い千年もつ寺社を建てます。

 木の持つ個性や育ち方を見極め、癖や特徴に合わせた使い方をするからです。

「その木を屈せずして廈を構う」とは、無理に真っ直ぐさせようとせずに、それぞれの木の個性を活かしながら、まさに適材適所によって家(廈)を建てると言うこと。

人それぞれ個性や能力に違いがあり、先頭に立って仲間を引っ張るのに適した人もいれば、地味な役割を淡々とこなすのが向いている人がいます。

曲がっていても個性。その個性を互いに生かし尊重しあうことで、個人の力では到達する事のできない大きな結果を生むのです。

知心寺住職 正適